高齢者介護施設を選ぶポイントを紹介
高齢者介護施設を選んでみたものの、思っていたのとは違ったなんて後悔したくないですよね。
施設を選ぶのに建物の良し悪しや雰囲気を見るのも大切な要素ですが、それだけで決めてしまっては、これから長い時間生活を送る場所なのに良いのでしょうか。
自分や家族が高齢者施設に何を求めていて、自分に合う施設がどういったものかをしっかりと考えることが必要です。
高齢者が利用できる入所施設には色々な種類がありますし、提供しているサービスにも特徴があります。
同じような施設であればどこを選んでも大して変わらないだろうと思いがちですが、意外とそれぞれの施設に特徴があって、運営方針などが色濃く反映されています。
ご自身の希望を満たす施設を見つけるために、施設の特徴などを知ることは非常に重要なポイントです。
自分の希望を整理するのにチェックリストの作成は非常に有効です。
チェックリストの項目を作る際には、
- 立地条件や施設の雰囲気
- 食事
- 居住スペースの設備
- レクリエーションルームなどの共用スペースの設備
- 医者のサポートや介護の種類など医療に係る部分
- 契約面と費用面
などを入れると良いでしょう。
特に契約・費用は非常に重要な要素で、年間でどのくらいの費用が必要か、契約以外でどのような費用が必要となるのかということは特に注意が必要です。
チェックリストに掲げた条件を全て満たさない場合でも、自分の希望する条件に近い施設を客観的に比較検討することができるので役立ちます。
入居や準備にかかる費用
介護保険法に基づいて建てられた施設と民間が運営している施設では、利用料金に大きな差があり、介護保険法の施設の方が費用的には抑えられています。
有料老人ホームでかかる費用は、入居一時金、部屋使用料や食事代金などの基本となる費用と洗濯などの生活に係る費用があります。
有料老人ホームの費用は、取り扱っているサービスや設備によって大きく異なります。
有料老人ホームの中には入居に対して、入居一時金が必要な施設もあり、その費用はゼロ円から数千万円、中には数億円億などという施設まであります。
施設によって、入居一時金払いや月払いなどのプランがありますので、ご自身の貯蓄や収入などに合わせて検討することが重要です。
有料老人ホームは、金銭的にゆとりがある方々が利用しいている印象をお持ちの方もいるかと思いますが、最近では手ごろな利用料金で利用可能な施設も増えてきています。
各施設で料金やサービスが違いますので、気になる施設がある場合は、ホームページを見たりパンフレットなどの資料請求を行い確認することから始めましょう。
資料を取り寄せる場合、直接施設に連絡して取り寄せる方法とホームページ上から取り寄せる方法があり、どちらも気軽に取り寄せることができますので是非活用しましょう。
資料請求は少しでも気になる施設であれば、見比べるためにも積極的に取り寄せましょう。
パンフレットなどには、その施設の特徴や設備、サービスや入居条件、入居にかかる費用など、施設を比べる際にポイントとなる非常に重要な項目などが書かれています。
また、資料だけでは伝わらない部分や見えてこない部分もありますので、施設に電話をしたり、ホームページの問い合わせなどを活用して疑問点を聞くなどすると良いでしょう。
入居希望の施設が見つかったら、実際に施設を見ることが重要ですので、事前に見学や体験入居をすることをおすすめします。
なぜ複数施設の見学が必要か
入居前には、1つの施設だけではなく複数の施設を見学することをおすすめします。
これから長い間、生活を共にしていく施設は、いわば家のようなもの。
マンションや住宅を選ぶのと同様に安易に決めず、慎重に選びたいものです。
施設の中を実際に見ることで、パンフレットなどでは感じることができなかった施設内での住環境や設備、施設内の雰囲気などを肌で感じることができ、自分がそこで生活していくことを想像しやすくなります。
1つの施設だけでは、肌で感じる空気の『違い』や施設の特徴などを感じることが出来にくいので、複数の施設を見学することをおすすめします。
施設を見学するならば通常の時間帯よりもお昼に行くのがおすすめです。
食事は高齢者が楽しみにしている物事の一つなので、施設の食事を見ることは重要な要素の一つです。
献立だけではなく使用している食器などに目を配れば、その施設がどのくらい食べることに対して意識を持っているのか把握することができると思います。
そして、なにより重要なのがスタッフや居住者など、施設の中にいる人たちです。
見学となると内装や設備などに目が行きがちですが、スタッフの声のボリュームや話し方、入居者や利用者の表情などを見ることが実は重要です。
スタッフに余裕があったり、入居者が楽しそうにしているなど、どこか和やかな雰囲気を感じられるようであればその施設は良い施設と言えるでしょう。
逆に、スタッフがバタバタと忙しそうにしていたり、入居者が暗い表情をしていたり眠ったままとかの場合はあまりおすすめできません。
入所には条件があります
実は、高齢者施設は料金を払えば誰でも入れるというわけではありません。
介護保険法に基づいた決まりや、病気などの状態によっては施設を利用できない場合もあるのです。
施設内の設備不足や看護師の対応能力、夜間介護の人手不足など多様な理由がありますが、その施設の事情などを踏まえると、いたしかたない部分が多いようです。
例えば、問題などなく日常生活を送れている高齢者は常に介護が必要な高齢者が利用するような施設には入居できない場合もあります。
また、自分で身の回りのことができない場合は、集合住宅型の施設は使用できないなどの場合もあります。
通常であれば、病気が慢性的であっても、病状が落ち着いていれば入居できることが多いです。
一方、慢性的な病気でなおかつ通常の生活が出来ていても入居条件に適さない場合もあります。
例えば、人工肛門での排泄が必要な場合や透析が必要な場合、糖尿病によるインスリン注射を必要とする場合など、看護師や医師を必要とする医療的管理が必要な病気の場合は、入居ができない場合もあります。
介助士や介護士だけの高齢者施設の場合は入居が難しいと思いますが、看護師がいる施設の場合は入居も可能な場合がありますので、事前に相談するとよいでしょう。
高齢者介護施設に入居を検討するにあたっては、日常生活をどのように過ごせていて、どういった医療行為を行っているかによって入居可能なのかなどを調べておくことが重要です。
また、入居後に病気やケガなどで介護が必要となった場合には、施設の変更が必要になる場合もありますので、そのあたりも踏まえて様々な条件の介護士摂津をリサーチしておくと良いでしょう。
入居契約をする時のポイント
契約前までには必ず入居金額と入居条件を確認しておきましょう。
有料老人ホームなどでは、まとまった金額を支払う入居一時金や月払いなどのプランがありますのでそのあたりもしっかりと確認しておきましょう。
また、入居した後や契約から入居の間に病気やケガなどに合ってしまった場合の一時金の返金の有無や退去方法などの確認もしておいたほうが良いかもしれません。
また、退去をする際にはどこまで返金が可能なのかも事前に聞いておくと良いでしょう。
今までは元気に生活していたが、施設に入居した後に介護状態になる場合もあるので、そういったリスクに備えて、複数の施設を候補として常に考えておくことも大事です。
また、施設によってはスタッフに相談することで次の施設を紹介してもらえる所もありますので、そういったトータル的にケアをしてもらえる施設を選ぶとよいでしょう。
以上、高齢者介護施設を選ぶ時に大切なポイントをご紹介してきました。
介護施設を利用する側もされる側も気持ちよく共同生活するには、自分にマッチした介護施設を選択し、契約内容などをしっかりと認識して、納得して契約することが重要です。
今までに上げたポイントを参考にして自分が生活しやすい介護施設を見つけましょう。
サービス付き高齢者向け住宅ってなに?
高齢者向けの施設と一概に言っても、多種多様な種類があります。
自分の事は自分できる、いわゆる普通に日常生活を送れるくらいの高齢者が入所する施設もあれば、日常的に介護が必要な高齢者向けの施設までさまざまです。
そうした施設の中の一つに、60歳以上の高齢者または要介護の認定を受けた方を対象とした、賃貸借で契約される住宅施設を一般的にはサービス付き高齢者向け住宅と呼びます。
このサービス付き高齢者向け住宅という施設は高齢者が居住しやすいように、通常のアパートやマンションと違い、バリアフリー化や見守りサービス、生活相談サービスさらには夜間緊急通報サービスといった高齢者が安心して暮らせる設備が整っています。
よく聞くサ高住・サ付きって
サービス付き高齢者向き住宅を略してサ高住(さこうじゅう)またはサ付き(さつき)と呼ばれています。
サービス付き高齢者向け住宅は「一般型」と「介護型」の二種類に区分されています。
一般型は、毎日の生活において自分で身の回りのことはできる、いわゆる要支援や要介護の認定を受けていない高齢者が入居することができます。
一方、介護型は、要介護を受けた高齢者が入居することができ、介護付き有料老人ホームと同様に、介護サービスや生活支援サポートを受けられます。
サービス付き高齢者向け住宅と有料老人ホームの違い
高齢者介護施設と聞くと、サービス付き高齢者向け住宅のほかに有料老人ホームを思い浮かべます。
サービス付き高齢者向け住宅と有料老人ホームはどのような違いがあるのでしょう。
一般的に有料老人ホームには主に3種類あり、65歳以上が利用できる「介護付有料老人ホーム」と、60歳以上が利用できる「住宅型有料老人ホーム」「健康型有料老人ホーム」があります。
また、有料老人ホームは介護ケアが24時間体制で行われていたり住宅型においては必要な介護サービスを選択できるなどのメリットもあります。
一方のサービス付き高齢者向け住宅は60歳以上または60歳未満であっても要介護の認定を受けていれば比較的に容易に入居が可能です。
また、外出などの自由度が高かったり、入居前と変わらないケアマネジャーにお世話してもらえるなどのメリットがありますが、要介護度が高くなると入居を続けることが不可能となることもあります。
費用面で比べてみると、有料老人ホームよりもサービス付き高齢者向け住宅の方が安価な場合が多いようです。
サービス付き高齢者向け住宅のサービスや特徴
サービス付き高齢者向け住宅はバリアフリー構造であることが定められており、居室部の床面積は原則25平方m以上と決められています。居住スペースには浴室や洗面所、キッチン、トイレなどの一般的な住宅設備が整っています。
また、廊下幅も78cm以上を確保することが定められています。
居住スペースに加え、共有スペースや食堂など高齢者が集う場所が設けられていたり、中には相談所やランドリースペースなどの施設が備えてある施設もあり、一般的な賃貸住宅とは異なり高齢者に配慮された施設となっています。
さらに、施設内には介護福祉士や介護支援専門員など介護スタッフが常駐していますので相談などを受けることも可能です。
サービス付き高齢者向け住宅の中には、「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設もあり、そういった施設では入浴や排せつ、食事などの日常生活上のサポートや機能訓練などといった介護も行われています。
有料老人ホームなどと違って要介護度が低い高齢者でも入居が可能な場合が多いところもサービス付き高齢者向け住宅の特徴です。
また、一方的な契約解除が禁じられているため、入居は強制退去など心配がありません。
そして、施設への出入りや外出が自由であったり、自由に入浴ができるなど生活をする上での自由さがあるのも魅力的な部分です。
こういったことから、サービス付き高齢者向け住宅のニーズが増加しています。施設も増設傾向にありますので、ほかの介護施設に比べ自分にマッチした施設が見つけやすいかもしれません。
サービス付き高齢者向け住宅のデメリット
サービス付き高齢者向け住宅の特徴などはわかりましたが、デメリットを知っておくことも重要です。
デメリットとしては、やはり一般的なアパートやマンションに比べるとどうしても家賃が高くなってしまいます。
また、施設を運営する事業者によって設備の充実度やサービス内容、サポート体制などが異なるため、どの施設を選べばよいか判断が難しいというデメリットがあります。場合によっては満足なサービスや希望する介護を受けられず、入居した後に後悔することも少なくありません。
そして、入居した時は支障がなかったものの、日常的に介護が必要な状態となった場合には、退去を迫られる場合があります。
サービス付き高齢者向け住宅を利用する際の料金、入居条件
サービス付き高齢者住宅は基本的に、「まだ介護の必要がない、比較的元気な高齢者のための施設」と定められています。そのため、サービス付き高齢者向け住宅のサービスには安否確認サービスと生活相談サービスの2つしか義務付けされていません。そうした介護サービスが受けられない代わりに、生活の自由度は高くなっていると言えます。
サービス付き高齢者向け住宅にかかる費用は、敷金や礼金の初期費用が必要なほか、管理費用などの月額使用料などが必要となります。
敷金や使用料などは、一般的なアパートやマンションと同様に、市街地や都市部など立地条件が良くなると割高になる傾向があります。
また、施設の設備や受けられるサービスによって月額使用料が変わってきます。
一般的には、敷金などの初期費用はゼロ円から数百万円、月額利用料が10~30万円となっているようです。
施設を選ぶ際には、施設の見学や体験宿泊などが可能ですので必ず利用しましょう。
また、気になる施設については面倒くさがらずに資料を取り寄せましょう。
勘違いしてしまいがちですが、空室があるからといって、無条件に入居可能ではありません。
どの施設でも60歳以上の高齢者で要介護または要支援が認められている人、または60歳未満であっても要介護が認められている人が対象となります。
介護の度合いや認知症など、病気のサポートや医療体制については施設により対応が違いますので、確認しておくことが重要です。
夫婦で入居するなど同居人との入居も受け入れてくれるので、そういった部分も確認すると良いでしょう。
施設の入居条件が確認出来たら、契約条件や費用などよく理解して、入居後の生活に不安を感じずに安心して生活を送れるようこころがけましょう。
食事から老人ホームが見えてくる
意外に重要な施設の食事
高齢者になると、老人ホームなどの施設を活用するかたも増えてきます。
老人ホームを利用すると今までの自由な生活から一変して集団の中での生活に環境が変化します。
高齢者の中には、集団生活のストレスや人間関係の煩わしさを感じる方も少なくありません。
普段の生活でも楽しみの一つとして「食べること」を挙げる高齢者が多いのですが、施設という今までと違う環境のストレスからか、より食への楽しみが強くなる傾向があるようです。
食事をするといことは、健康面だけでなく精神面から見ても重要なことと言えるでしょう。
一番の楽しみの食事が自分の好みに合わない状態が続くことは、ストレス解消のはけ口を失っていることでもあります。
老人ホームでの食というものが自分の口に合っているかという問題は意外に重要なことだと分かります。
こうしたことから、老人ホームでは食事に気を使っている施設も少なくありません。
味付けや栄養のバランスだけではなく、季節の食材や色合い、配膳や食事の場の雰囲気づくりなど、食を一層楽しくさせるサービスを行っている施設もあります。
提供される食事を確認する方法
それでは、実際に提供されている食事はどのように知ることができるのでしょうか。
老人ホームに知り合いの方がいらっしゃれば、その知人からどういった食事が提供されているのか聞くことも有効です。
また、資料請求などを行ったり施設に直接連絡して聞いてみたりすることも出来ると思います。
食事に対して施設がどの程度の重要性をもって取り組んでいるかを知ることが重要です。
聞く内容のポイントとしては、特別食などの提供の有無や施設の利用者からの意見を取り入れているか、など施設の食へ対する特徴やこだわりを尋ねましょう。
しかし、食の好みは人それぞれですので、一番良い方法は実際に自分で食べてみることにほかなりません。
多くの老人ホームでは入居前に施設の見学を行っています。
施設の見学会に足を運ぶ時間帯をお昼ごろにすれば、提供されている食事を実際に見ることができます。
また、中には試食付きの見学会や体験入所などを行っている施設もありますので積極的に利用すると良いでしょう。
実際に食べる以外に、その食事がどのように作られ配給されているかなども重要なことです。
調理室を備えていて、栄養士の管理下で食事を提供している施設もあれば、外注の給食センターなどを利用して提供していたり、レトルト食品を提供していたりとさまざまです。
また、施設を見学した際には献立表を貰うことで、どういった食事が提供されているか知ることができます。
貰えない場合は施設内に献立が張り出されていますので、チェックしておくと良いでしょう。
自分に合った食事とは
さて、では実際にどういった食事が良いのでしょうか。
食というのは本当に難しいもので人によって好みが違います。
食事が自分に合っているかどうかで、精神面や健康面での充実度が変わりますし、日常生活の満足度は変わってきます。
施設の食事は、栄養バランスの取れた献立を組んで計画的に提供されているものがほとんどです。
人によっては、塩分やカロリーなどの摂取に対して食事制限などを受けている方もいらっしゃるかと思います。
また、アレルギーなどで口にしてはいけない食材がある方もいるでしょう。
そうした個人の事情に合わせて施設側が食事を提供することが可能かどうかは非常に重要な点で、必ず聞いておくべきでしょう。
また、すべての人が美味しいと思う食事というものはありませんし、好き嫌いや嫌いな味はありませんという人もなかなかいないものです。
精神面や健康面をケアするためにも、味付けや食事量など自分の好みを反映してもらえるかは聞いておいても良いと思います。
食事は1日に3回もある妥協できない楽しみの1つです。自分に合った食事を提供してくれる老人ホームを見つけるようにしましょう。
食事を一層楽しくする特別メニュー
老人ホームによっては通常の食事のほかに行事や季節によって特別メニューを提供してくれる施設もあります。
特別メニューは、施設での暮らしを色鮮やかにしてくれますし、食に対する意欲や楽しみを増進させてくれます。
さらに、特別メニューをきっかけにスタッフと仲良くなったり、施設内の仲間と会話が増えたりなんてこともあるようです。
ひなまつりや七草がゆなど日本の伝統的行事に合わせた特別メニューはもちろんのこと、クリスマスやお正月など、さまざまなイベントに合わせた特別メニューは、施設での生活にアクセントを加えてくれます。
また、そうめんやスイカ、煮込みうどんやカボチャなど、その季節に合わせた食材を献立に組み込んで提供してくれるところもあり、季節を感じられる工夫がされています。
施設を利用すると、今までのように好きな時間に好きなものを食べるなんてことは出来なくなります。
しかしながら、栄養のバランスが保たれた食事を提供して貰えることは、健康面から見れば大切なことです。
食事に気を使ってくれている老人ホームはサービス面でも充実している可能性が高く、おすすめの施設です。
施設の設備や費用だけではなく、毎日を彩る食事も施設を選ぶポイントの一つとするのも良いでしょう。
いくら必要?特別養護老人ホームの費用を知ろう
いつまでも若く健康でありたいとは誰もが思うことです。
しかし、現実は悲しいもので、年を取るにつれて体は動かなくなり、ケガが治りにくくなったり、病気などにかかることが増えてくるものです。
日常生活が困難になって、自分の家で生活するのも大変になってしまったなんてこともあります。
老人ホームと聞くと、高齢化により介護が必要になって、しかたなく入居するというイメージがあるかと思いますが、最近では動けるうちに、元気なうちに施設を利用する方々も増えています。
都市部の施設を利用することにより、今まで不便に感じていた買い物などが便利になるなどメリットを感じている方も多くいらっしゃいます。
一人寂しく自宅で生活をするよりも、介護施設などを活用して仲間とコミュニケーションを取ることで楽しみを感じている高齢者も少なくありません。
また、受け入れる側の介護施設のサービスも非常に多様化してきていて、ただ介護をするだけの施設ではなくなってきています。
そういったことから、介護が必要な方から、元気ではあるが健康管理や安否管理の面から施設を利用する方など利用者の種類が多様になってきています。
介護施設の印象や利用方法もひと昔前と違い、ずいぶん変わってきています。
利用者の多様化に伴い、施設も多様化が進んできているということですね。
今はまだ興味がなくても、早い段階から介護施設について知っておくことは、これからの生活において選択肢が広がるなどプラスになる場面もあるかと思います。
また、元気なうちに夫婦や家族で今後の事を話し合う、良いきっかけになるのではないでしょうか。
ここでは、高齢者介護施設にはどういったものがあるのかを簡単ではありますが、施設ごとの特徴を上げながら紹介したいと思います。
有料老人ホーム
有料老人ホームには大きく分けて3つの種類があります。
介護付有料老人ホーム
食事や入浴、排せつなど日常の生活において介護が必要な方が対象となる施設です。
受け入れる施設によって違いますが、認知症や医療的行為などが必要な場合においても入居が可能な場合もあります。
ほとんどが民間の企業が運営しているので、サービスの内容や居室のグレードや設備の充実度、さらに立地条件などにより、老人ホームごとに料金の設定がされています。
入りやすい料金設定をする施設から、入居一時金が数億円に上る施設までさまざまです。
施設によっては、食事の内容や医師による健康管理サービスなどで差別化を図るところもあります。
中には、介護を必要としなし方も入居できる混合型と呼ばれる施設もあり、将来に介護が必要になった場合でも、生活環境の変化が生まれません。
夫婦で入居する場合、例えば一方だけが要介護状態である状態であっても、混合型であれば入居することが可能となっています。
住宅型有料老人ホーム
住宅型有料老人ホームは基本的に自立が可能な高齢者が対象となっています。
万が一、要介護度が高くなってしまい、介護サービスを受ける必要性が生じた場合においても、通所介護や訪問介護など外部の介護支援を受けることが可能です。
また、入居中に利用したい介護サービスを自由に選ぶことができますので、ご自身の介護状態に合ったサービスを受けることができます。
ただし、入居後に病気やケガなどでより重度の介護が必要となった場合は退去する必要が生じる場合があります。
健康型有料老人ホーム
健康型有料老人ホームは、生活の自立ができていて介護を必要としない高齢者が利用するための施設です。
建物内には他の居住者とコミュニケーションが取れる施設などが完備されていて、一人暮らしへの不安軽減や食事配給サービスなどによる家事負担が軽減されるなどのメリットがあります。
他の施設とは違い介護サービスは受けられませんが、トレーニングジムやスパなどの設備が充実している施設が多くあります。
あくまでも健康であることが条件となりますので、入居中に要介護となった場合には退去しなければなりません。
介護老人保健施設
介護老人保健施設は公共型施設で、病院と自宅の中間的な施設として位置づけられています。
利用者が通常の生活ができるまで回復することを目的に、専門スタッフによるリハビリテーションが行われます。
入院するほどではないが、家にもどって暮らすことには不安を感じる方にはおすすめとなる施設です。
介護老人保健施設には医師や看護師が常勤していますので、リハビリテーションや医療行為などのサービスが受けることが出来ます。
そうしたことから、自宅での暮らしへの準備期間として利用したり、希望の老人ホームが見つかるまでの居住空間として活用されることが多いようです。
入居できる対象者は、原則的には65歳以上の要介護度1以上となっています。
また、伝染病や長期入院などを必要としないことなどが条件にありますが、施設によって条件が異なりますので確認が必要です。
生活復帰が目標となりますので、リハビリテーションを目的とする専門スタッフがいるほか、介護スタッフや医師などの福祉に関わる専門家が揃っているので料金は若干高めとなっているようです。
利用期間については、3カ月毎に行われる会議において決定することが義務付けられています。
施設によっては差がありますが、3カ月から半年ぐらいでの退去を勧めてくる施設が多いようです。
近年では、医療スタッフが充実していることから、延命治療は希望していないものの、医療を続けながら最期まで看取ってほしい人が利用することも多くなっています。
特別養護老人ホーム
特別養護老人ホームは、自治体か社会福祉法人などの公的機関が運営母体となっていて、自宅において日常生活を送ることが困難な要介護度が高い方でも利用することができます。
施設に入居できる条件として、要介護度3以上の認定が必要で、認知症などで要介護状態になった方などが食事や排泄などの日常生活を送るための介護サービスを受けることができます。
また、多くの施設では長期利用が可能となっていますので、最期を看取ってもらうまで利用を希望する方も少なくありません。
さらに、ショートステイを利用すれば、家族や介護サポートスタッフが不在になっている期間だけ施設に宿泊することもできます。
他の介護施設に比べると費用が抑えられているため、利用希望者が多く入居までに時間がかかります。
また、特別養護老人ホームは古い施設が多く、2人部屋か4人部屋が中心となっていて、個室が希望の場合は空き部屋を確保できるまでに時間がかかる場合も少なくありません。
介護療養型医療施設
介護療養型医療施設は、そのほとんどが医療法人を運営母体としているため、最も医療が充実している施設と言えます。
医療施設のためリハビリテーションや十分な医療行為を受けられるので、介護度が高い人向けの介護施設となっています。
医療体制は、入居者100人に対して医師が3人常勤するよう義務付けられています。
さらに、入居者6人に対して看護職員と介護職員をそれぞれ1人以上配置することが義務付けられています。
部屋については、病院と同様に相部屋が多く、介護以外にも医師や看護師による医療行為や看護ケアなどが受けられます。
そうした中、厚生労働省は2020年までに介護療養型医療施設を廃止することを打ち出しています。
そのため、新規で介護療養型医療施設を設置することは現在、認可されていません。
現在ではほかの老人介護施設に転換を図っている施設なども多く、もし入居を考えているようであれば、今後の施設方針などを聞いておくとよいでしょう。
一概に高齢者介護施設といっても、数多くの種類があり施設ごとの特徴やサービス内容などに違いがあることが分かったと思います。
介護施設を選ぶ際には、利用にかかる費用で選んだり、立地条件だけで選ぶのではなく、サービス内容や自分の生活や健康状態にあった施設を妥協することなく探すことが重要です。
施設を選ぶ際には資料請求などをして内容を十分に吟味するだけではなく、施設によっては見学会や体験宿泊などを行っている場合もありますので、夫婦や家族と一緒に積極的に参加してみるのもよいのではないでしょうか。
老人ホームに入るための介護保険制度
こういった制度って、自分や身内に介護が必要な人がいなかったりすると、制度自体を知らいないですし、介護が必要な状況になったとしても、なかなか理解するのは難しいものです。
自分には関係ないと思っていても、知っておくと万が一の場合には役に立ちますので、ここでは簡単に介護保険制度について説明させて頂きます。
介護保険制度とは?
介護保険制度は、2000年4月から施行された新しい制度で、介護される人の能力に応じて自立した日常生活が送れるよう支援することと、介護の負担を軽減することを目標として定められた制度です。
高齢化社会の現代において、施行後に何度も制度の内容変更がありましたが、主要な部分は変わっていません。
介護保険制度を利用できる人の条件とは
介護保険は、65歳以上が対象の第1号被保険者と40歳から65歳までが対象の第2号被保険者に区分されています。
ここで意外なのが、介護保険制度は高齢者だけの制度だと勘違いしがちなのですが、第2号被保険者の対象年齢が40歳からという所です。
ただし、40歳になったからといって誰でも介護保険制度のサービスを利用できるというわけではありません。
40歳から64歳まででどういったかたを対象に介護保険制度上のサービスを受けられるかというと、認知症や脳血管疾患、筋萎縮性側策硬化症、骨折を伴う骨粗鬆症、末期がんなどの老化が原因と見られる特定疾病に伴う要介護が認定された方で、介護保険の申請を行って認定を受けた人が対象となります。
また、第1号被保険者である65歳以上の高齢者については、高齢により自身での生活が困難な場合や病気、ケガなどの介護が必要とする状態において、要介護が認定されることにより介護保険制度のサービスや施術を受けることが可能となります。
介護認定申請で認定されなかったら
介護申請の申請をしたものの、申請者の状況や環境によっては申請が受理されない場合があります。
介護保険サービスの利用を頼りにしてい方には、非常に困った問題かと思います。
申請が受理されない、いわゆる非該当になってしまった場合でも、そういった方を対象とした介護予防施設や事業が各自治体ともに整備されているますので、そういったサービスを利用することも可能です。
介護保険で行われるサービスとは実施頻度や内容が違いますが、運動能力や運動機能の向上を目的とした教室や偏りがちな栄養面などを学べるものなどいろいろとあります。
自治体が行う介護予防は多種多様とありますので、ご自身の住んでいる自治体ではどのようなサービスを受けられるか、公共窓口に問い合わせてみると良いでしょう。
介護保険制度の手続きについて
介護保険制度を申請するにあたり手続きの流れをご説明します。
正直、介護保険の制度サービスを受けるための手続きは複雑です。
しかし、どの場面においても担当者などから丁寧に説明がありますので、積極的に質問をすると良いでしょう。
申請するにあたり、第1号被保険者は介護保険被保険者証が第2被保険者は医療保険証が必要となりますので準備しておきましょう。
最初に、介護保険の認定を受けるため、ご自身が生活している市区町村の役場窓口か、近くにある居宅介護支援事業所や介護保険施設などで申請を行います。
もし病院などに入院中でご自身が申請を行うことが困難な場合は、地域医療連携室などに相談すると対応してもらえます。
申請に足を運ぶと、現状や説明などで時間がかかることがあります。
申請書の提出を終えると、認定調査日程で調整が必要になるため、担当者から電話連絡が入ります。
認定調査では担当調査員から介護状況や身体機能の現状、認知機能などの調査基準に基づいた質問が行われます。
また、主治医の意見書が必要となるため、市区町村の担当者がかかりつけの医者へ意見書を依頼します。
特に主治医がいない場合においては、市区町村が定めた医院で意見書を作成します。この際申請にかかる自己負担はありません。
その後、認定調査結果や主治医の意見書をもとにして要介護認定が行われます。
要介護認定は非該当、要支援1から2、要介護1から5までに区分されます。
区分の内訳としては、要介護のほうが要支援よりも介護の必要性が高く、数字が大きいほど介護において重度の状態となっています。
要介護認定は、公平な判定を行うためにコンピュータによる一次判定が行われます。
そして、一次判定の結果を原案として保健医療福祉の学識経験者が行う介護認定審査会で二次判定が行われて決定します。
申請が提出されてから原則で30日以内に結果の通知が行われます。
万が一、認定結果に納得がいかない場合は、再審査を請求することも可能です。
要介護認定には有効期間があり、原則として6カ月とされています。
しかし、身体的な理由により3カ月から最長で12カ月の間で認定されるケースもあります。
いずれのケースにおいても、有効期間が切れる2カ月前から更新の申請が必要となります。
有効期限での更新以外にも、介護の必要状況が変わった場合は、区分の変更を申請することが可能です。
要介護が認定されたのち、介護保険サービスを利用するために、介護の区分に合わせた計画書(ケアプラン)の作成が義務付けられています。
介護区分で利用可能な介護サービスの種類や日程計画などが異なるので、区分にあわせて介護サービスを決めていきます。
介護計画書はご自身で作成しても構わないものですが、多くの場合は居宅介護支援事業所のケアマネジャーや地域包括支援センターの担当職員などに依頼するようです。
介護計画書を依頼する場合、区分が要支援の場合は、地域包括支援センターまたは地域包括支援センターから委託された施設のケアマネジャーが作成してくれます。
区分が要介護の場合は、居宅介護支援施設のケアマネジャーが介護計画書を作成してくれます。
計画が決定すると、それぞれ利用する施設などと契約を結ぶことで、はれて介護保険サービスの利用が可能になり、施設や自宅などでその計画に沿った介護サービスが開始されます。
以上となるのですが、手続きが非常に複雑なので、分からないところは有耶無耶にせずに、担当者に質問するなどして、一つ一つ進めていくと良いでしょう。
介護計画書(ケアプラン)について
介護計画を作成する際には、要介護認定を受けた認定対象者や家族などから、日常の生活状況などを聞き取ります。
聞き取った内容を踏まえ、現状できる事と出来ない事や出来るようになりたい事など、これからの生活においてどのように改善していきたいかを話し合い、それに対する目標や解決方法などを決めていきます。
その計画において、デイサービスなどの介護保険サービスが適用される施設などを利用することが定められた場合は、対象となったそれぞれの施設と計画や情報を共有するための打合せなどが行われます。
このように介護計画には、介護サービスを受けるタイムスケジュールや利用日の計画だけではなく、対象者の生活改善なども含まれているのです。
また、介護計画をもととした介護保険サービスの利用については、介護保険一割負担金の費用負担が必要となりますので注意が必要です。
資金面において不安がある場合は、資金計画についても介護計画書を作成する担当者や家族と相談して進めていくと良いでしょう。
介護保険制度について説明させていただきました。
申請の部分や計画策定部分で内容的に難しい箇所もありますが、少しでも知っておく何かの時に役立つと思いますよ。